7以降は TWO DOOR CINEMA CLUB や FRENCH HORN REBELLION など、狂騒的なエレクトロではなく、ソフトなポップ・エレクトロとも言えるチョイスへと移行し、ポスト・エレクトロ時代の行方を示唆している。シリーズ史上最もソフトでメロウといわれるのが、“KITSUNÉ MAISON 9”。
音楽とファッションを媒介にパリの最先端をリードする KITSUNÉ には2つの顔がある。ひとつはパリを拠点とする名門音楽レーベルとしての顔、もうひとつが「タイムレス」をコンセプトに掲げるファッションブランドとしての顔である。そして KITSUNÉ から生まれたTシャツライン KITSUNÉ TEE は、当初はライブイベントなどの際の限定アイテムとしてスタートしたもの。
世界各地のイベント会場で SOLD OUT となり入手困難だったデザインが復刻されたほか、人気コンピレーションCDシリーズ "KITSUNÉ MAISON" に参加しているハイエッジなアーティストたちのバンドT、KITSUNÉ のデザインチームによるアートワークなども展開。コレクションラインとは異なり、彼らの持つ音楽性が大きくフィーチャーされている。
LE BARON や PARIS PARIS などパリの人気クラブをオーガナイズし、パリで最も才能と影響力あるグラフィティライターの一人となった André。スウェーデン・ウプサラ出身の彼は、13歳の頃からバスキアのように街角の壁面にグラフィティアートを描いていた。タグネームの代わりにキャラクターを描いた最初のアーティストと言われ、シルクハットをかぶった有名なキャラクター “Monsieur A” を創り出した人物でもある。
顧客の好きな場所に大きなバブルレターで恋人の名前をスプレーペイントする “Love Graffiti”、かつて売春宿であった建物を会員限定の秘密クラブに仕立てた LE BARON など、パリとニューヨークに拠点を置く現在も、ナイトライフをアートとして再認識するための活動を精力的に続けている。